彼女がマスクを外さない



でもあの二人は元から仲良い事を知っているし、


だから

特に何の感情もわかない


「ほら今も楽しそうに喋ってる」

「ほんとだ~」


そして再び真面目モードに戻る私


「ほんと仲良いよね。よく二人で帰ってる所とか見るし」

「へー………え?」


だけど、また

私は顔を上げて春ちゃんを見た。


「帰ってる?栄ちゃんと美羽ちゃんが?」


そう言えば

「美羽って言うんだあの子。」って今名前を知ったらしい春ちゃん。


「いや、なんかさ手も繋いで帰ってたし、恵美浮気されてるんじゃないの?」


手は繋いでたって事はあまりわからなかったけど

私はそう見えたよ。って首を傾げて

グランドにいる栄ちゃんと美羽ちゃんを怪しそうに見つめてた。


手も繋いで帰ってた?

浮気されてるかもしれない?


「違うって絶対」


違う違うって私は首を横に振る。


「んー。じゃあ私の見間違いだったのかもね」

「そうだよ絶対」


あははって笑う春ちゃんと、一緒になって私も笑う。

だけど内心、焦っている自分がいる。


元カノって事もあるんだから

もう一度好きになってもおかしくないはず。


私と距離を置いたのも

そのために…?


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