彼女がマスクを外さない





「っ…………」




少しでも栄ちゃんの事、疑っていた自分が恥ずかしく思う。


私は栄ちゃんの彼女っていう立場にいるんだ。

なのに堂々としてなくてどうするの?



いつかは私も栄ちゃんが離れていく日が来るんじゃないかって

気にしていたらオドオドとしてしまう自身。



嫌われないようにしなきゃ。嫌われる行動は控えないと。

……まだ、私は、栄ちゃんに全てをさらけ出していない。



「……………」



ギュウゥっと、カバンの持ち手を握り締め美羽ちゃんの話を思い出す。

……頑張らないと。



まずは、実テ。赤点は取らない。

そして栄ちゃんと離れたこの距離を縮めたい。



会いたい。触れたい。


大好きだって、伝えたい。



ーーーーそして

全てをさらけ出すんだ。

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