無口な彼の妬かせ方




「ちょっ…!おまっ、何してんだよ!」




ギュウッ、と。



俺にしがみつくかのように、抱きつくコイツ。



引き離そうとしたけれど、さっきのようにすんなりと離れてはくれない。




「えっと……一年生?」




困ったように藍はそう言ってた。



ああ、そっか。



藍にコイツの事を言ってないんだった。




「藍。コイツは………」




"幼馴染"



だという事を説明しようとした時、




「初めまして。」




その言葉をさえぎるように、



ズイッと俺の前に唯が立ったんだ。




「あっ……初めまして。」




ニコリと笑う藍。



だけど、少し動揺している様子。


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