無口な彼の妬かせ方
「ねぇ、ねぇ、」っと。
しつこく藍に迫って言う唯に、
俺はグイッと唯の腕を引っ張る。
「コラ、いい加減にしろ。」
ちょっとキツめに言ってしまえば、
「………分かった。」
口元を尖らせて。
ション、と静まる唯。
いったい……
コイツは何がしたいのか、全く予想がつかねーんだよ。
静まったかと思えば、
それは一瞬だけで。
「ねーねー!今度、皆で遊びたいなー」
なんてまた元気を取り戻して、いきなり変な事を言い出すし。
ほんと、予想がつかない。
「ねっ!いいでしょ?」
「わっ…!」
ギュウッ、と。
唯は藍の腕に絡みつき、キラキラと目を輝かせながらそう聞いていた。
そんな風に言われたら、
断ろうとしても断りずらいだろ…
なんて考える俺。
けれど、どうやら藍も同じ考えだったらしく。
「……う、うん。そうだね、今度遊ぼっか」
苦笑いを浮かべてコクリと頷いていた。