無口な彼の妬かせ方
高鳴る鼓動
なんで。
こんな事になったんだろ……
木陰でポツリと座る私は、ふとそんな事を思った。
「翔ちゃーん!」
バシャバシャと、
綺麗で透明な川の水を翔に向かってかける唯ちゃん。
青色のビキニがよく似合っていて、
私なんかよりも胸が大きい。
「お、い!水かけんな!」
それに対し、
翔は必死に飛んでくる水から逃げながら、パーカーを脱いでいる。
ああ、いいなー……
私もあそこで遊びたい。
ふぅっと息を吐く私。
変な虫が周りに沢山いて、ゾワッと鳥肌がたつ。
実は……今日。
皆でキャンプに来ているのです。
まあ皆といっても、私を合わせて計4人。
私と翔と唯ちゃん、それから蓮くん?って名前の人だったかな……
チラッと蓮くんの方に目線を向けてみれば、
笑顔で女の人をナンパしているし。
なんで、こんな人を連れてきたのかがよく分からない。