無口な彼の妬かせ方
そして……今のこの状況に至るというわけ。
水着がない為、川には入れない。
いっそのこと……このまま入っちゃおうかなって考えたけれど、
「やめろ。」
なんて翔にとめられた。
なんで……?
私もそうやって遊びたいのに…
まあ水着を忘れた私が悪いのだけれど、
ちょっとだけ悲しかった。
「はぁーっ」
暇。すごく暇。
ワイワイと水のかけ合いをしている唯ちゃんと翔を眺めながら、
溜め息を吐き出した。
もう……寝ちゃおうか。
今日は6時起きだったし、
こんなポカポカとちょうどいい暖かさだから、余計に眠気がする。
そうして、私はゆっくりと目を閉じた。
「あれ?藍ちゃーん」
「っ、」
けれど、その声によって私の意識は呼び戻される。
ちょっと夢の中に入りかけていたところで。
パチッと目を開けたら目の前に蓮くんがいた。
ちょっ、近っ!!
「あ、のっ!!」
ワナワナと口を開けては閉じてを繰り返していれば、
ブハッと蓮くんは笑い始める。