無口な彼の妬かせ方




唯side




「っ…、……」




なんなの?アイツ。



ほんとムカつく。



ああやって私に見せつけてるわけ?



意味分かんない。



イライラとしながら、プイッと拗ねたようにコテージを出た唯。




「…………」




それをジッと見つめる蓮は、



何かを見透かしたように鋭く目を細める。



ああもう!



ムカつく、ムカつく、ムカつく!



私の方が翔ちゃんと一緒に過ごした時間は長いのに、



なんであの子なの?



べつに特別可愛いってわけでもないじゃない。




「っーーーー」




外に出ると、さっきまで暑かった気温が寒いぐらいに下がっていて。



ブワッと強い風が吹いた。



それによって私の髪の毛がフワリと舞う。




「………寒い」




近くにあった大きな石の上に座って、



ギュッと手で身体を包み込んだ。



どうしたら……私の事を意識してくれる?



翔ちゃんは私の事をずっと幼馴染としか見てくれない。



ただの近所の女の子って……


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