無口な彼の妬かせ方
「もう私戻るから。上着ありがとね」
そう言って、立ち上がろうとする。
コテージに戻るのにはちょっとだけ抵抗はあったけど、
ずっとここでイライラしていても意味がないし。
「待てよ」
けれど私のその行動を妨げるように、
パシッ、と軽い音をたてて蓮は私の腕を掴んだ。
「………なに」
振り向けば、
「何がしたいのかは知らねーけど、あれはヒドイぞ」
グッ、と。
蓮の手に力が加わったのか、少しだけ掴まれている部分が痛い。
「っ、」
ヒドイ?
私が?
まあ今日した事は、
ちゃんと反省してるつもり。
けれど……
コイツまでアイツの味方?
……ほんと、そういうのうざい。