無口な彼の妬かせ方
「嫌いよ……とくにアンタなんて…!」
こんな時に限ってまだ強がる私。
内心、この体制に恐怖を感じてる。
抵抗しようとしても両手を抑え込まれているから無理に決まってるし……
絶体絶命
なんて言葉が今の私にピッタリだ。
「どうする?もっと優しくしてやろうか」
「はっ…?何言ってんのよ……」
優しくされたって、
べつになんとも思わない。
ただウザいとしか感じないだけ。
「俺がお前を優しくしてやるにつれて、
お前は翔の事なんてどうでもよくなるよ」
「っ!!」
コイツは何が言いたいわけ?
とりあえず、翔ちゃんの事は諦めろって言いたいの?
「意味わかんないっ!!」
ギリッと下唇を噛み締めて、
思いっきり目の前の蓮を睨みつける。
コイツの考えている事が分からない。
コイツは何がしたいの?
何をしようとしてるの?
「じゃあ分かるようにしてやろうか?
……ほら、こっち向けよ。
分からせてやるから」