無口な彼の妬かせ方




抑えられていた両手が自由になり、



私の頬に蓮の両手が添えられた。



グッ、と。



目線を逸らしていた私を強引に自分の方に向かせて、



目線をバッチリ合わせる。



ヤバイ。



ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ!



これは本当にヤバイって!!



キュッと口を閉ざす私。



顔近いし……っ!



それになんか近づいてくる…



徐々に近づく蓮の顔。



そして何かを察知した私は、



何度も何度も蓮の胸板を押す。



けど、全くの効果無し。




「やっ、ほんと、ストップ!!」




叫ぶがそれに聞く耳も持たない蓮。



ヒィッ!!



背けようとしても無駄らしく、



私はただただジッと待つことしか出来ない。



そしてあと数センチ……


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