無口な彼の妬かせ方
初めての感覚
「あっ……唯ちゃん…。」
勢いよく開いたドアに、
ものすごく息が荒れた唯ちゃんが現れて。
夜ご飯の準備をしていた私は、
ちょうどコテージの入口付近にいた為、すぐにそれが確認出来た。
「……お、おかえり。」
「……………」
ハァハァと息が漏れている唯ちゃんは、
チラリと私に目線を向けてくれた。
どうしたんだろ……
なんだかすごく疲れているみたい。
「い、今ね!夜ご飯の準備をしてて……」
手伝ってくれるかな?
ってお願いしようとしたのだけど。
ゆっくりと顔を上げた唯ちゃんの額に何やら違和感を持った私は、
「あ、れ?オデコ……真っ赤だけど、大丈夫?」
自分の額を指さして、赤いよ?っと知らせてあげる。
何かぶつけたのかな?
額の一部が赤く腫れてるけど……
「っ!!」
すると唯ちゃんの頬が一気に赤色に染まった。
「………っえ?」
カァーっと赤くなる唯ちゃんに、
私は驚きを隠せず戸惑う。