無口な彼の妬かせ方




クスッ、と。



蓮くんが笑った。




「へ~そっかー。


ハハッ!


……結構簡単だったな」




ボソリと呟くように言う彼は、



何やら面白そうにニヤニヤと笑っている。




「えっ?」




結構簡単だったなって、



どういうこと?



キョトンとする私に対し、



蓮くんは「あっ」っと言葉を漏らす。




「ごめんごめん!なんでもないよ……


ほらっ、藍ちゃんは夕飯作っといて。


俺がここ掃除しとくから」




そう言って。



蓮くんはカチャカチャと割れたお皿の破片を、



一つ一つ丁寧に拾っていく。



……おかしい。



蓮くんもなんだか変だ。



その姿をジッ眺めながら、



ふい目線は蓮くんの額に向いて。




「……………」




蓮くんの額にも、



唯ちゃんと同じように一部が赤く腫れているのを見つける。



この二人……何かあった?



自然と私は首を傾げていた。


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