無口な彼の妬かせ方




「蓮…。お前唯知らね?」




翔は静かな声でそう聞く。




「さあ。


部屋にでもいるんじゃないの」



「あー、部屋にいるのか。


たくっ……


夕飯の手伝いぐらいしろよ」




ふぅっと呆れたかのように、息を吐き出した翔。



私も頼もうとしたんだけど……



ダッシュで部屋に戻っちゃって。



呼び止めようとも、お皿割っちゃったし……



うーん、と頭を抱えて悩んでいれば。




「俺、呼んでこよっか?」




ヒラリ。



手をあげた蓮くん。



ニンマリと笑うその笑みが、



なにやら変な予感を感じさせた。

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