無口な彼の妬かせ方
……その後。
やっとのことで夕飯は完成した。
結構時間はかかったものの、
今はちょうどいい夕飯の時間だ。
唯ちゃんもちゃんと手伝ってくれたけど……
ほとんどが翔にピッタリとくっついていて、
内心ちょっとはイラッときた。
でもそんな時に、
「まあ、まあ……」
なんて、落ち着けでも言いたげに肩に手を置いてくる蓮くん。
「あの二人は幼馴染なんだから、
あーゆー距離が普通のことなんじゃないの?」
そんなしっくりくる内容を聞いて、
ああ、そっか。
幼馴染だからか……
なんてちょっと落ち着く自分もいた。
私と翔が付き合う前から、
ずっと一緒だったんだもんね…。
そんなことを思ってしまうと、
逆に胸がズキンと痛んだ。
私の知らない翔を知っていて…
私以上に知ってることが多いい唯ちゃん……
なんかちょっと。
悔しいな………。