無口な彼の妬かせ方
「えっ?」
今、なんて……
照れたように目を細め、
ジッと優しい笑みで私を見る翔。
私の頬に触れていた手が徐々に上へ上へとあがり、
「………なんでもねーよ。」
ポンッ、ポンッ。
っと、私の頭を軽く叩いた。
「………帰るか。
そろそろ、もっと気温が下がる」
風邪引くだろ?って、
私の手をとって立ち上がらせる。
「そうだね………」
本当はもっと一緒に居たかったな……
このまま、ずっと。
翔となら何時間だって一緒に居られる。
落ち着くんだ……翔の隣って。
「ん。」
「……っえ?」
……なに?
突然、差し出された手。
それに戸惑っていれば、
「ほら。手、かして」
ハハッと笑ったあと、
キュウッ、と手を握られる。
ああ……そういうことかっ。
ほんと、ズルイよ……