無口な彼の妬かせ方
「翔………」
私も、キュウッと握り返す。
強く、強く、握って。
今の私の気持ちが伝わってくれれば、なんて思ってた。
「ん?」
軽く私に視線を向けた翔は、ゆるく微笑んでいて。
それだけで、私の胸は飛び跳ねるほどに暴れはじめて。
ドキンッ、と身体が熱くなる。
そんな翔が、
大好き過ぎて仕方が無いんだ。
「好き……だよ…」
「っ、!」
だけど。
それを言葉に表そうとすれば、なかなか恥ずかしいもの。
"好き"って単語を言うだけでも精一杯だった。
「い、以上……です!」
だ、駄目だっ。
慣れてないから、余計に恥ずかしい……!
パッ、と顔を隠すかのように下を向けば、
「………俺も。」
「っ!……」
その返答と共に。
チュッ、
と一瞬だけ瞼に唇が触れて。
「………愛してる」
甘い言葉が私の耳へと溶け込むように入り込んだ。