無口な彼の妬かせ方
「あんな事……皆に、するの?」
キュッ、と掴んでいる所に力が加わったのを感じた。
はっ?
なに言ってんの、コイツ。
少し困った様子を見せる唯ちゃんに、俺は眉根を寄せる。
ああ。
見てたってことか。
「ふーん?
……ねぇ、唯ちゃん。」
その手を軽く掴んで、
トンッ、と壁に押さえつけた。
「盗み見、したんだ?」
こういう性格の奴って、
何故かイジメたくなる。
「っ!ち、ちがっ……!」
ほら、絶対否定する。
見てたくせに。
素直になれないんだろ?