無口な彼の妬かせ方
ガリ勉モードの彼
ある日の図書館での出来事。
「……ねぇ、翔。
明後日……何の日か知ってる?」
「………知らね。」
私の話なんて興味なさげに、
黙々と勉強をする翔。
……言うと思った。
なんとなく、そんな返事がくるだろなーって予想はできてた。
「そう……だよね」
ガクリ、と勉強をする気がなくなった私は、
「ごめん、ちょっと本でも探してくる」
ガタッ、と静かに席を立った。
黙々と勉強を続ける翔を眺めながら、遠くにある本棚へと向かう。
明後日は…………
私達が付き合って二年目の日なのに。
「はぁー…………」
やっぱり、忘れてるよね…。
この時期になると、翔がガリ勉モードに入ってしまうから、どうしようもないんだ。
いつもは掛けない眼鏡だって、
この時期になると気づけば掛けてるし。
その姿にいちいちキュンッとしてしまうのは、仕方が無いこと。
今日から三日後にあるテストに向けて、翔は必死みたいだ。
「テストの前日が記念日なんてさ……。
ほんと、ついてない……」