無口な彼の妬かせ方
ニヤニヤと笑って、壁にもたれ掛かる蓮くん。
腕を組んでいて、
私の返事を待っているのか、
ジッと鋭い視線を感じる。
そっか、豪華な物をあげた方がいいのか……。
なんて事を一瞬考えてみたけれど、
「……翔なら、
例え安物をあげたとしても、
絶対喜んでくれるよ……。」
そう思う気持ちの方が強くて。
ボソリとそう呟いてみれば、
蓮くんは驚いたように目を大きく見開けていた。
"値段なんて関係ない。"
そう言ってくれるんだ。
全ては自分の想像だけれど、
翔なら……たぶんそう言ってくれるかなって。
私なら、翔から貰った物全てが大切な物。
高価な物なんていらない。
プレゼントしようと思ってくれた、
その気持ちがすごく嬉しい。