無口な彼の妬かせ方




「痛っ」




叩かれた部分を手でおさえて、微妙に痛かったそれに顔を歪ませた。



叩かれた意味が分からなくて、



えっ?なんで?



的な表情を浮かばせていれば。




「………もう、お前。



一人行動させたくねーわ……」


「っ…!いひゃいっ!」




ギュッ、と私の両頬を掴んで、それを強く引っ張る翔。



それのせいで口が上手く動かなくて、上手いこと喋ることができない。




「ひゃ、ひゃんで…?」




なんで?っと聞こうとしても、やっぱり上手いこと喋れず。



そんな変な言葉になる。



ほんと、痛いって…!




「………なんでも。」




パッ、と頬から手を離してくれたけど、



頬のジンジンとした痛みは消えないまま。



ううっ…ヒリヒリする…。


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