無口な彼の妬かせ方
ビックリして。
目が、これでもかってぐらいに、大きく見開く。
顔を背けた翔の背中を見つめて、
内心、胸が高鳴った。
私が蓮くんといたことを、
翔は知ってた、みたいだ。
「嘘っ…。翔、嫉妬したの?」
少し前の、私の夢。
妬かせたいって思ってた、
私の想い。
けれど。
それはもういいや、って考えていた、この頃。
それが、今日、叶った?
私の目に映るものが、全てキラキラと光ってみえる。
嬉し過ぎて、どうにかなっちゃいそうだ。
「……………」
私とは真逆に、返事をしない、翔。
「ねぇ。」なんて。
呼びかけても、パッと顔を隠すだけ。