無口な彼の妬かせ方




「翔。」




もしかして、照れてるの?



口元に自然と笑みがこぼれる。



「しょーう。」なんて。



強引に顔を覗かせて、見てみれば。




「っ…、」




口元を覆い隠して、



目の少し下部分が、薄い赤色に染まっていた。



その表情が、
なんだかとても新鮮で。



不思議、というか。



ついつい、ジックリと、見つめてしまう。




「……んだよっ、」




途轍もなく、嫌そうな顔。




「……いや。なんか、新鮮だなー、って……」




珍しい。とかではないのだけれど、



久々、というか……。

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