無口な彼の妬かせ方
「……でも!ちゃんと、断ったよ!
ほら、だって……
翔と帰れなくなるし……」
聞こえるか、聞こえないか、ぐらいの小さい声で。
そう言う私。
なんだか褒めてほしくて、ハッキリと言おうとしたのに。
だんだんと、恥ずかしくなっていって。
結局この始末。
褒めてほしいなんてさ、
幼稚かよ!って、心の中で思っていたのは、秘密。
「誘われた……って、ことかよ。」
それに対して、
苦笑いを浮かべる彼。
「うん、まあ……。……でもっ!」
「ちゃんと、断わったよ!」って、今度こそは、ハッキリと言おうとした時。
「………いいんじゃねーの。
……やれば?バイト。」