無口な彼の妬かせ方
その冷たい対応に、なんだか身体が冷たくなった。
サァーッて血の気が引くような、感じ。
ねぇ、翔。
翔は、私の事、本当に好きなの?
なんて疑ってしまう私が、なんだかバカバカしい。
彼女っていう立場にいるんだから、翔を疑ってどうするの。
そう否定するような気持ちと、
もう嫌いになったのかも。って、不安で仕方が無い気持ちが、
綺麗に交差する。
……今の私、
ちゃんと笑えてるかな…
「じゃあ…ね。」
冷たくなった手のひらで、ぎゅっと携帯を握り締めた。
重たくなった足を、無理矢理動かして、翔から距離を作る。
………蓮くんの言うとおり
もう少しで、翔の誕生日なんだから。
サプライズ好きの私にとって、
一旦、離れるのに、いい機会かもしれないな。