無口な彼の妬かせ方




ぐっ、と唇を噛み締めた。



前の私なら、たぶん、泣いていただろう。



けど、もう、慣れた。



冷たい対応なんて、



今までに何度もあったし、



……それと、決めたから。



もう、泣かないって。




「っ、」




そう思っていても、やっぱり悲しいな……



ピタリ、と自然に足が止まって。



ゆっくりと後ろを振り向く。



けれど、もうそこには、彼の姿はなく。



なんだか、ズキンと胸が痛んだ。



"後悔"



その言葉が、今の私にピッタリだ。



あんな事、言わなければよかった。



褒めてほしいって欲望が、こんな風な運命に。



私は、再び足を動かして、



なんだか暗く重たい気持ちのまま、教室に戻ったんだ。



これからどうなるんだろ……



そう思いながら。


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