無口な彼の妬かせ方




徐々に小さくなっていく、



彼の姿。



その姿が消えるまで、私はずっと見続けた。



心の中で"ばいばい"と、唱えて。



こんな日が何日続くのかな……



バイト始めたら、やっぱりすぐには辞めれないよね。



……でも。



こういう事に慣れるのも、必要なんだ。



結局は、離れ離れになる可能性も、ないとは言えない。




「………っ…」




堪え、ないと。



グッ、と下唇を噛み締めた。




「……………」




その私の姿を、蓮くんが静かに見ていた事を、私は知らない。

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