無口な彼の妬かせ方




「……もう。翔に会いたくなった?」


「え?」




ピタリ。



蓮くんの動きが止まった。




「ほら。なんか泣きそうな顔してる」


「え、うそ。」


「ほんと。」




慌てて、目元に手をあてた。



涙は……出てない。




「ウル目に、なってる」


「っ、」


「ほんと、泣き虫だよね~。藍ちゃんは」




はぁーっと、溜め息のような息を吐き出して、



近くの壁に寄りかかる蓮くん。



考え事をするかのように、腕を組んでいた。




「そんなに、翔が好き?」

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