無口な彼の妬かせ方





「なんでもいーよ。何食べたい?」




店に入り、二人席の所に座った私達は、ペラペラとメニューをめくっていた。




「じゃあ、これ」


「どれどれ………。


…………っっ!!!」




た、高っっ!!



蓮くんが指で示した先は、この店で1番高そうなもので。




「………………」




思わず、口が大きく開いてしまう。



ど、どうしよう……



お金足りるかな……



コッソリとカバンを開けて、財布の中身を確認しようとした時。




「うそうそ。冗談、冗談」


「えっ!?」


「俺、別にお腹減ってないし」




そう言って、クスッと笑ってから、メニューをパタリと閉じた蓮くん。


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