無口な彼の妬かせ方
「………翔、ってさ。
藍ちゃんにとっては、無口のイメージがあるでしょ?」
「う、うん………」
無口。
そう聞かれれば、そんなイメージはある。
あんまり喋りたがらない、そんな感じ。
「でもね。
それは、
藍ちゃんの前だけなんだよ。」
「私の…前だけ?」
「そうそう。藍ちゃんの前だけ、妙に無口になってる。
俺の前だと、無口じゃないよ。アイツ。
あーでも、
よく喋るまではいかないかな。
まあ、緊張してる。って証拠だね」
「そ、そうなんだ…」
緊張してる?
私の前では?
そんなふうには見えないんだけど…