無口な彼の妬かせ方




「まあ。藍ちゃん、あんまりクラスに遊びにこないもんね。」


「うん…」




知らないのも当然かっ、
て苦笑いを浮かべた蓮くん。



知らないのも当然って…



なんだろう。
すごく、気になる。




「…じゃあ、ここだけの秘密な。」




特に、翔には。
っと軽く微笑んだ蓮くんは、
なんだかちょっと楽し気だった。




「うん。」




コクリと頷けば、
蓮くんはその動作をみて、




「…あいつ。


毎日毎日、
藍ちゃんの事を俺に話すんだよ。


可愛い、だの。
抱き締めたい、だの。


そんな事ばかり、ね」


「……っ!」




ゆっくりとした喋り方で、



私がちゃんと聞き取れるように、
そう話を続けた。

< 227 / 304 >

この作品をシェア

pagetop