無口な彼の妬かせ方
「しまった………」
気付けば、もう昼休みの時間帯。
ここに居るのが全然バレなかったのが、自分でもすごいと思ってしまう。
冷や汗をかきつつ、私は急いで教室の方に向かった。
教室に近づくにつれてホッと息を吐く。
先生になんて説明したらいいんだろう……
授業を受ける気分じゃなかったので、って素直に言うべき?
……いやいや、絶対許してくれるわけがない。
頭を抱えて悩んでいた時、
ふと、目に入った二人の男女。
女の子は、顔をすごく赤らめていて何かを差し出している。
その子が見つめる先には、
「えっ………」
私の彼氏である、翔。