無口な彼の妬かせ方




「しまった………」




気付けば、もう昼休みの時間帯。



ここに居るのが全然バレなかったのが、自分でもすごいと思ってしまう。



冷や汗をかきつつ、私は急いで教室の方に向かった。



教室に近づくにつれてホッと息を吐く。



先生になんて説明したらいいんだろう……



授業を受ける気分じゃなかったので、って素直に言うべき?



……いやいや、絶対許してくれるわけがない。



頭を抱えて悩んでいた時、



ふと、目に入った二人の男女。



女の子は、顔をすごく赤らめていて何かを差し出している。



その子が見つめる先には、




「えっ………」




私の彼氏である、翔。

< 23 / 304 >

この作品をシェア

pagetop