無口な彼の妬かせ方
唯ちゃん…なんだか久々に見た。
あの時以来だっけ。
キャンプに行ったとき。
唯ちゃんの後ろ姿をジッと見つめてから、私はテキパキと仕事をこなした。
蓮くんも唯ちゃんの存在に気付いていたと思うけど、
仕事中の為、とくに何も反応はしていなかった。
それから約30分くらいで、唯ちゃん達は店を出ていった。
私の勘違いかな。
唯ちゃん、蓮くんのこと…よく見ていたような気がする。
まあ、それもそうか。
私も誰か知り合いが働いていたら、ついつい見ちゃうし。
「お疲れ様でした」
それと同時に、
蓮くんは仕事を終えたのか、仕事場を出て行った。
私はまだこれから2時間もある。
長いな…頑張らなきゃ。
あの翔にプレゼントするつもりの手袋を想像しながら、
テキパキと働き始めた。