無口な彼の妬かせ方
唯ちゃんの姿が見えなくなったのと同時に、
俺は手元のこの暖かい物体を見つめる。
「……お茶?」
唯ちゃんから受け取った物は、
よく自動販売機とかで見かけるあのペットボトルの熱いお茶。
「…………」
これ…ほんとに俺に渡すつもりだったのか?
藍ちゃんに渡すつもりじゃなかったのか?
なんで俺にくれたのかは、謎に深まるばかりだが、
「あったけ…」
寒かった俺にとって、
唯ちゃんがくれたそれは、
なんともちょうどいい。
今度お礼言わねーとな。