無口な彼の妬かせ方




……なに?



どういうこと?



コソコソと小さな声で話している為、ここからは何も聞こえない。



………だけど。



その子の手には、可愛いラッピングをされたクッキーが。



視力のいい私には、それがよく見えた。



もしかして……告白?



嫌なくらいに心臓がうるさく鳴り始める。



ニコッと笑う翔に、少し嫉妬してしまう。



いつもなら、あんな笑顔めったに見せないのに……



私じゃない誰かなら見せるんだ。




「翔………」




そう呟いたのと同時に、女の子は翔にそれを渡していた。



翔……受け取るの?

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