無口な彼の妬かせ方
そのペットボトルを両手でギュッと握りしめながら、
俺はまた歩き出した。
口からは白い吐息がもれる。
でもそのあったかいお茶のおかげで身体はポカポカと暖かかった。
「(私、なにしてんの……)」
はあはあと白い吐息が出るなか、
まだ走り続ける。
周りから視線を感じるが、
とくに気になりはしなかった。
どうしようどうしようどうしよう。
ほんと、なにしてんの私…!
アイツ絶対変に思ってるはず。
てか、変に思うよね。
ああ…もうあわす顔がない…。
「はぁ…」
人けの少し多いところで、私は項垂れていた。
蓮side(終)