無口な彼の妬かせ方





「なに外出てんの!」




「……買い物」





いやいや、買い物って。




よく見れば翔の右手には、
スーパーの袋。





「風邪引いてるんでしょ!だったら外でちゃダメだよ」




「もう治った」




「嘘つけっ」





顔、少し赤いし。




ああ、これ。
熱悪化してるよきっと。





「ほら、さっさと家入って。それからすぐ、布団の中に入ること」





ほら、早く。そう言いながら、翔を無理矢理家の中に押し込む。




翔が持ってたスーパーの袋は私が持って、私も翔の家の中に足を踏み入れた。


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