無口な彼の妬かせ方
久々に入った翔の家。
なんだか少し緊張する…
いや、てか、そんな事思ってる場合じゃなくて。
とりあえず、
翔を安静にさせなきゃ。
「布団に入っときなよ。私、冷えピタ買ってくる」
荷物を机の上に置き、カバンの中から財布を取り出そうとする。
「いい。要らない」
だけど、それを止めたのは翔で。
私の片方の手を、
優しく掴んだ。
「ここにいて」
なんだか切なそうな表情を浮かべる彼に、
私の動きは自然と止まる。
久々に胸がキュンとした。