無口な彼の妬かせ方
まだ7時なんだけど…
あまりにも早い時間に寝てしまった翔を見て、唖然とする私。
どうしようかと悩んだが、
結局起こさずに寝かせておいた。
作った夜ご飯は明日食べれるようにとラップをしておいて、
スヤスヤと眠る翔をよそに、私は帰る準備をする。
結局”おめでとう”って言えなかったな…
なんて後悔する私だけど、
カバンの中に入っていたプレゼントは、眠っている翔の枕元に置いておいた。
「…………」
ちょっと戸惑ったけど、
「……おめでとう、翔。…早く元気になってね」
翔が起きないように、小声で言う。
多分聞こえてはいないだろうけど、それでいい。
最後に翔の頬に軽くキスをおとした私は、
なんだか自分が今したことに恥ずかしくなって、逃げるかのように部屋を出た。
ドキドキと高鳴る心臓は、
翔の家を出てからも、
まだ鳴り止まなかった。