無口な彼の妬かせ方
「なにやってんの」
屋上のドアを開けると、外をジッと見つめる蓮の姿。
「……ちょっと、考えごと。かな?」
ハハッ、と笑うその表情が少し不自然だった。
「……なんだよ、考えごとって」
「お。心配してくれてんの~?」
ニヤニヤと、うざったいその笑みに俺はイラつきを覚える。
「いって!叩くことないだろ!」
気づけば、ふざける蓮の頭を叩いていて。
蓮は叩かれた頭を抱えてその場に座り込んでいた。
「いって~」なんて、ちょっと大げさに言う蓮だったが、
少し経てば無言になり、
「……………なあ。」
さっきの声とは別人のように変わって、
蓮からあまり聞いたことのないような、低い声。
そんな蓮に俺は目線をうつす。
「……お前だったら、どうする?
もし、友達の彼女を好きになってしまったとしたら。
お前なら、どうする?」
その言葉に俺は驚いて、
「……………は?」
嫌な予感しか考えられなかった。