無口な彼の妬かせ方
離れた距離
「なんで俺に言わないの」
「ご、ごめん…」
帰り道。
黒いオーラを醸し出している翔の隣で、小さくなる私。
唯ちゃんはまだ用事があるからって学校に残るみたい。
久々だな…
翔と二人で帰るの。
でもなんだかちょっと気まずい。
「……………」
蓮くんの事、
言おうとしたけど、言う暇がなかったから…
なんて言っても言い訳にしか聞こえないよね。
「………蓮に、気がある?」
「えっ!?そんなわけ…」
”そんなわけない”
もちろん。
そう言おうとした。
……だけど。
「……翔、妬いてる?」
私には、そうみえた。