無口な彼の妬かせ方
「………まあ、私にはどうでもいいことだけど。
あんた達が別れようが私には関係ない。
けど。もし翔ちゃんを悲しませるような事したら、ぶん殴るから」
「は、はい…」
後輩ながらも威圧が凄い。
本当に翔が大好きなんだな…
「そういえば。翔ちゃん今、ここにいるから」
「………え?」
「会いに行きたいなら行ってくれば?」
「あ……」
それだけを言い残して、唯ちゃんは私を置いて立ち去った。
”ここにいるから”
私の手には一枚の紙。
それは唯ちゃんからさっき渡されたもので、
どうやらそれは翔の居場所の住所が書かれているらしい。
「……………」
ここに…いるんだ。
綺麗な字で書かれたそれをみて、私もその場所を立ち去った。
その紙をちゃんと握りしめて。