無口な彼の妬かせ方
私と彼の理由
「………ここ、だよね」
紙とその建物を交互に見る。
……喫茶店?
それにしてもオシャレな所だな…
なんか可愛い小物とか売ってそう。
「(ここに、翔いるのかな)」
入り口の前で中を覗いて見るものの、あまりよく見えない。
本当にいるの…?
目を凝らして、もう一度中を覗きこんだ。
…そのとき。
「わっ…!」
ガチャッ、と。
ドアが開いた。
ドアの前に立っていた私は、ゴンッとドアにぶつかる。
押されるようにドアから離れれば、
「しょ、翔!」
「……………え?」
中から出てきたのは、制服姿の翔だった。
「え、藍?…なんでここを知って…」
途中、翔はハッとした表情を浮かべる。