無口な彼の妬かせ方

彼が妬くとき

ーーピンポーン。




玄関の呼び鈴がなった。




き、きた…！




ドキン！と緊張で心臓が激しくなる。




ガチャリとドアを開ければ




「あ…えと、おはよ」


「……おはよう」




私服姿の翔が、眠そうな表情で立っていて。




休日に会うのは久々だ。




「あ、あがって？」



「…お邪魔します」




そして静かにドアを閉めた。




「座って座って」




部屋へと案内すると、翔はいつもと同じ場所に腰を下ろした。




私の家に遊びに来ると、なぜか毎回同じ場所に座る。




私も特定の場所に座ろうとするが




「こっち」




なぜか今日は指定があった。




ポンポンと翔は隣を叩き、ここに座れということなのだろう。




「あ…じゃあ……」




ストンとそこに腰を下ろせば




「……………」




二人とも黙り込んでしまう。