無口な彼の妬かせ方





昨日の事を思い出してみれば、すぐにあの場面が脳内に蘇った。



ああ…そうだった。



私、フラれるかもしれないんだ。




「っ…………」




眉根を寄せて、携帯をギュッと強く握る。



静かな部屋には、時計の音だけしか聞こえない。



嫌でも、見なくちゃいけない……



ドキドキと、心臓がうるさくなる中。



恐る恐る、そのメールをあけようとした時。



「………えっ?」



ピンポーン、と。



家のインターホンが鳴り響いた。

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