無口な彼の妬かせ方




……誰?



こんな昼間に。



ケホッと一回咳を出してから、玄関に向かう。



携帯は、メールを読む前にベッドの上へ置いてきてしまった。




「……はい」




ガチャリとドアを開けて、そう言ったのと同時に、




「……どーも」




低い声で返ってきた返答。



目の前に立つこの人を見て、パチクリと目を大きく見開いてしまう。




「しょ…う……」




なんで……?



今まだ学校じゃ……



制服姿の翔が目の前にいる事に、驚きを隠せずにそう呟いた瞬間、




「ん。」




翔から、何かが入っているビニール袋を差し出された。

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