無口な彼の妬かせ方




うわーすごく嬉しい、っと騒ぐ私に対して。



翔は、ハッと何かを思い出したかのように顔を上げた。




「お前……」


「えっ?」




真剣な表情で見つめられて、思わずキョトンとしてしまう。



な、何?



そう思った時。




「わっ……!」




ふいに腕を掴まれて、急ぐように玄関の中へと引っ張られた。



バランスを崩しながらも、それについていく。



素早くクツを脱いだ翔は、




「部屋、どこ」




軽く後ろを振り向いて焦りながら言っていた。




「えっ?あ、階段上がって右」




私も、それにつられて焦ってしまう。



いきなり、どうしたの?

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