無口な彼の妬かせ方




私、何か仕出かした?



「うーん……」と唸りながら、一人で廊下を歩いている。



モヤモヤする……



あれから三時間が経って、



学校に着いた途端から翔とは何も喋れていない状態。



もしかして……私が寝てた時?



あの時に、私、寝言で何か言ったとか。




「…………」




ありえるような……



ありえないような……



ブツブツと小さな声で囁く私に、周りの人は引きぎみだった。



ダメだ……全然分からない。



はぁーっと溜め息を出して、俯いていた顔を上げる。



その時に、私の結構前を歩いている早瀬くんの後ろ姿を見つけて、




「………早瀬くん?」




そう呼びかけた。

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