無口な彼の妬かせ方
波乱の予感




「ちゃんと、綺麗に出来てるかな……」




早起きをして、頑張って綺麗にセットした髪の毛。



そっと、それを崩さぬように触れてみる。



ストレートにしてみたけど……



ちゃんと、まっすぐになってる?




「……………」




頬に両手を添えて、ギュッと目を閉じた。



心臓が軽くドキドキとしている。



久々だなー……



日曜日の午前10時。



大型スーパーの近くにある公園のベンチで、



私はソワソワと少しの緊張を持ちながら、



翔が来るのを待っているところ。



ホワンと思い浮かんだ翔の顔に、私は心の中で「きゃあーっ」と、叫んでいた。



………そう。



今日、私と翔は久々のデートなのです。

< 68 / 304 >

この作品をシェア

pagetop