無口な彼の妬かせ方
理解とプレゼント
「ここ、座って。」
「………うん」
言われた通り、翔が指差すベンチに座った。
この公園……今日、待ち合わせした場所だよね?
そう気づくのに、あまり時間はかからなくて。
キョロキョロと周りを見渡す。
私が座った後に、翔もそのベンチに座った。
「…………ねぇ、」
その状態で、まず始めに言葉を発したのは、私。
「ん?」っと目線を合わしてくれる翔に、私もジッと見つめる。
少し近い距離に、胸がドキドキと高鳴っていた。
「翔に…聞きたい事があるの」
「……………」
真剣な表情でそう言えば、翔も真剣な顔をする。
泣いていたせいか、声が少し枯れていた。
ずっと……聞きたかったこと。
聞きたくても、聞けなかった。
傷付きたくないって思う私の気持ちが反抗して、
それを聞くのに結構な勇気が必要だった。