無口な彼の妬かせ方
なに、なに、なに……?
冷たかった身体が、この距離のせいで暖かくなる。
翔は私とは正反対で、ただただ無表情のまま。
翔のする行動全部が……私をドキドキとさせる。
身体中が痺れるような感覚に、脳はパニック状態。
その手から伝わる微妙な熱が、私の鼓動を早くさせる。
「勘違いし過ぎなんだよ、お前は」
「え………?」
はぁーっと溜め息をついた翔。
私の頬に触れている手が、両手から片手だけに変わった。
「確かに、告白はされた」
「っ」
その言葉に、またしても、喉の奥がキュッと締まる。
やっぱり……告白されてたんだ。
間違ってなかった。
私、勘違いしてないじゃん。
「っーーーー」
グッと下唇を噛み締める私に、翔は目を大きく見開かせた。
もう片方の手が、私の手の甲にポンッと置かれる。
………そして。
顔を覗き込むようにして見てきた翔は、
「けど、それは俺に対しての告白じゃない」
っと、真剣な顔でそう言ってた。
手の甲にある翔の手に、キュッと力が加わったのはその瞬間だった。